第15回荻窪講談大盛況終了!ご来場ありがとうございました!


今回も多くの皆様のお運びを頂き、第15回の公演も大盛況のうちに終演いたしました。ご来場大変ありがとうございました。今回は、「祝!紅、芸道40周年」、「祝!紅佳 二つ目昇進」、「神田紅葉さんを偲んでのトーク」と3本のエポックを掲げた講談会となりました。
冒頭、いつもの「講談演ってみまショー」ではなく、紅より本日の演目解説や紅葉追悼イベント趣旨など、本公演は特別なものであることが語られ、聴衆の期待を煽りました。
まずは二つ目に昇進した紅佳の「神田紅葉物語」よりスタート。いつもの金屏風ではなく、設置したスクリーンを背景に、物語に合わせ神田紅葉のメモリアル写真が大きく映されました。亡き姉弟子の生涯という意欲的な創作を二つ目昇進記念に思いを込めて熱演。多くの拍手を頂きました。

続いては蘭による創作講談「樋口一葉」、まくらには紅葉を東京の母と慕っているとの逸話もありました。本編は真打ち昇進を来年に控えている実力を遺憾無く発揮し、いきいきとした登場人物と軽妙な語りで一葉の波乱に満ちた生き様を時間まで語り、聴衆を引きつけ万雷の拍手を頂きました。

次なる山吹も紅葉との逸話をまくらに、幼き徳川吉宗とお大岡越前守の逸話「名君と名奉行」を語りました。親しみやすいキャラクターそのままに、幼少期のわがままな吉宗を巧みな話芸で演じ、当時の情景も浮かぶような熱演でした。

中入り後は、神田茜。やはり紅葉との逸話のまくらから、荻窪講談二度目になる演目「好き好き金右衛門様」。茜が演じる純朴で不器用な主人公「おてか」の恋愛物語は一度見たら忘れ得ぬ楽しさで、聴衆を魅了し笑いと大きな拍手を頂きました。

そして大トリは芸道40周年の神田紅。演目は「二代目紀伊國屋文左衛門」。初代の身代を放蕩の限りで潰しながらも、人に慕われた二代目の人生を語りました。幾多の登場人物を情景豊かに演じ分ける熟練の話芸は往時の景色が目に浮かぶようで、流石の講釈に万雷の拍手を頂き、長き芸道と実績を祝福して頂きました。

今回は特別企画として、荻窪講談と共に歩み7月に亡くなった神田紅葉を出演者、関係者と偲ぶコーナーを設け、それぞれが紅葉との思い出を語り、紅葉を哀悼しました。
最後に、たのはぐ会八重幡会長が功績を讃え感謝を述べ、その意志を次に繋げるべく、荻窪講談の継続を宣言し来場者の協力を仰ぎ大きな拍手を頂きました。

本サイトにも掲載してある、荻窪講談においての紅葉さん最後の名演「耳なし芳一」の映像ダイジェストを、来場者の方々と見て紅葉さんを偲び、大団円です。

今回もご来場ありがとうございました。次回16回公演は来年平成30年6月27日(水)です。またのご来場をお待ちしています。
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photo by saito(たのはぐ会)

11月1日(水)開催!第15回荻窪講談パンフレット完成

■ 平成29年11月1日(水)
午後5時30分開場 午後6時00分開演
■ 杉並公会堂小ホール
東京都杉並区上荻1丁目23番15号JR荻窪駅より徒歩7分

出演講談師、演目はパンフレットにあります。
左の画像をクリックするとPDFファイルでパンフレットが開きます。

チケットに関するお問い合せは、
info@ogikubo-kodan.info まで

日本講談協会10月の公演予定

10月12日(木) 講談新宿亭 12時30分開場 新宿永谷ホール
出演:桜子、みのり、紅佳、松之丞、真紅、蘭、紫、陽子(仲)京子、鯉風
10月12日(木) 講談新宿亭 17時30分開場 新宿永谷ホール
出演:桜子、みのり、紅佳、鯉栄、山吹、紅、愛山(仲)阿久鯉、松鯉
10月20日(金) 講談広小路亭 12時開演 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、阿久鯉、松鯉(仲)京子、紫、愛山
10月28日(土) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、蘭、(祝二つ目)紅佳、紫(仲)鯉栄、紅
10月29日(日) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、松之丞、(祝二つ目)紅佳、松鯉(仲)鯉風、愛山
10月30日(月) 若葉会 12時開場 お江戸日本橋亭
出演 桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭
10月30日(月) 山翁まつり 17時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭、鯉栄、阿久鯉、山吹、紅、松鯉
10月28日~紅佳さんが二つ目に昇進いたします。
どうぞよろしくお願い致します。紅

日本講談協会9月の公演予定

9月19日 講談広小路亭 開演12時 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、京子、紫(仲)蘭、阿久鯉、松鯉
9月22日(金) 日本講談協会定席 開場12時30分 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、松之丞、阿久鯉、紫、陽子(仲)紅、愛山
9月23日(土) 日本講談協会定席 開場12時30分 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、蘭、京子、鯉風(仲)鯉栄、松鯉
9月25日(月) 若葉会 開場12時 お江戸日本橋亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭

日本講談協会8月の公演予定

紅師匠より紅葉さん訃報に関するメッセージが届きました。
「2016年秋に新真打に昇進した神田紅葉さんは、2017年7月25日に胆のうがんのため66歳で亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
紅葉の訃報に、驚かれたことでしょう。
葬儀もとどこおりなく終わり、今彼女はお浄土へ向っているところです。 お世話になった所沢の講談会が、最後の舞台となりました。荻窪講談会では、最初の立ち上げから、真打昇進披露興行まで大変お世話になりました。本当に有難うございます。」

8月14日(月) 講談新宿亭 12時30分開場 新宿永谷ホール
出演:桜子、みのり、紅佳、松之丞、松鯉(仲)鯉栄、愛山
8月14日(月) 講談新宿亭 17時30分開場 新宿永谷ホール
出演:桜子、みのり、紅佳、蘭、紫(仲)真紅、鯉風
8月18日(金) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、愛山(仲)京子、阿久鯉
8月19日(土) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、蘭、鯉栄、紫(仲)鯉風、松鯉
8月28日(月) 若葉会 12時開場 お江戸日本橋亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭

訃報 神田紅葉さんが亡くなられました

がん療養中であった神田紅葉さんが先日お亡くなりになりました。多くのメディアでも末期癌と戦う高齢講談師として取り上げられ、前回公演ではサプライズで登壇されるなど、堅固な意志と情熱を持っておられましたが、大変残念ながら力尽きられました。荻窪講談では初回から活躍され、昨年真打昇進記念公演をされました。長年ナレーションも努め頂き、講談では多くの名調子残されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
・お通夜も告別式も、新宿区上落合の「落合斎場」にて行われます。
・お通夜は、7月29日午後6時~7時 
・告別式は、7月30日午前11時~12時 

日本講談協会7月の公演予定

7月21日(金) 講談広小路亭 12時開演 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、阿久鯉、松鯉(仲)紅、紫、愛山
7月29日(土) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、阿久鯉、鯉風、茜(仲)鯉栄、愛山
7月30日(日) 日本講談協会定席 12時30分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、松之丞、鯉栄、松鯉(仲)愛山、阿久
7月31日(月) 若葉会 開場12時 お江戸日本橋亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭

第14回荻窪講談大盛況終了!ご来場ありがとうございました!


今回も多くの皆様のお運びを頂き、第14回の公演も大盛況のうちに終演いたしました。ご来場大変ありがとうございました。前回第13回に、真打ち披露を行い、病気休養に入っていた神田紅葉が、急所登壇というサプライズがありました。
演目はみのり「桃井源太左衛門」から開始、宮本武蔵を主人公とする武芸物「寛永宮本伝」の13話、さわりのみの披露でしたが、楽しく力強い話芸で、続きがとても聞きたくなる熱演でした。続いては真紅による「常陸山谷右エ門」。新横綱稀勢の里の枕から、明治時代、水戸の伝説的力士の出世話。同郷の真紅による水戸愛に溢れる熱弁が光りました。
その後紅が登場、末期癌と戦う講談師として幾多のメディアに取り上げられていることを紹介し、飛び入りの紅葉の登場となります。演目は小泉八雲による有名な「耳なし芳一」。病を微塵も感じさせない力強く流暢な語りで、30分に渡る話を、聴衆釘付けに語りきりました。正に真打ちの講釈と会場からも万雷の拍手が湧きました。
中入り後は、京子の登場、自身の初産体験の枕から、演目は軍記物「源平盛衰記」より「青葉の笛」。源平合戦、平家滅亡が近づく中、一ノ谷の戦いにおいて源氏の武将熊谷次郎直実が平家の若武者、平敦盛を自責の念にかられつつ打ち取る姿を悲哀に溢れた語りで演じました。
大トリ前の鯉風は、「江戸元祖練り羊羹」。江戸の時代、出世払いを約束する「出世の証文」に悩まされつつ大成功を収める生真面目な商人、淡路屋喜三郎の出世話。鯉風のテンポのよく軽妙な名人芸が聴衆を唸らせました。
大トリ紅は、「春日局 家光養育」。徳川三代目将軍の座を有望視された竹千代(のちの家光)でしたが、その座が危なくなる中、乳母であったお福(のちの春日局)の熱意と竹千代の器量により、大御所家康のお墨付きをもらうまでの騒動顛末記。それぞれのキャラクターの個性が光る楽しい名人芸に会場も大いに湧きました。お客様から万雷の拍手をいただきまして大団円です。今回もご来場ありがとうございました。次回15回公演は来年平成29年11月1日(水)です。またのご来場をお待ちしています。
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photo by saito(たのはぐ会)

第14回荻窪講談演目補足情報

「時代物」である講談は、時間の制約もあり長編物語の一節のみ演じられることが通常です。そのため、その物語の時代背景や大まかな全体ストーリーを知っていると、より深く講談を楽しむことができます。
今回は来る、5月18日(木)に行われる第14回荻窪講談の演目補足情報を掲載いたします。こちらをお読み頂き、それが演者によってどのように語り演じられるかを楽しみに、ぜひご来場ください。
※下に講演のパンフレットPDFファイルあります。

『桃井源太左衛門』  みのり
寛永宮本伝は、十七話からなる長いお物語で『桃井源太左衛門』はその十三話目。講談では剣豪を主人公とするお話を総じて「武芸物」と言います。なかでも「宮本武蔵」は人気の演目ですが、同じ人物を主人公とする物語でも、流派ごとにその時代背景やストーリーは異なります。神田派が伝承する『寛永宮本武蔵伝』は、絵本を元に創作されたといわれるもので、丁々発止の打ち合いの中で奇想天外な必殺技が次々と飛び出す楽しいお話です。

『常陸山谷右エ門』   真紅
水戸をこよなく愛す講談師、真紅の新作講談。明治期の相撲界を大いに沸かせた同郷のスーパースター、常陸山谷右エ門の一代記です。常陸山谷右エ門は明治23年(1890年)に出羽ノ海親方の元へ入門、とんとん拍子の出世を重ね明治36年(1893年)には第19代横綱に。同時に昇進した梅ヶ谷藤太郎と共に、明治相撲の黄金期を築きあげます。引退後は、後進の育成に力を注ぎ、わずかの間に出羽ノ海部屋を一大勢力に拡大し、数々の横綱を排出。その見事な手腕は「角聖(かくせい)」「御大(おんたい)」と称賛されています。

『青葉の笛』  京子
『青葉の笛』は、源氏と平家の繁栄から滅亡までを全48巻に収めた「源平盛衰記」の中のお話。講談をはじめ歌舞伎や詩吟などでも広く知られ、かつては文部省唱歌としても歌われていました。講談では『青葉の笛』は軍記物と呼ばれるジャンルです。軍記物は、戦の様子を独特の口調で描写する「修羅場」が楽しみどころです。ちなみに「源平盛衰記」は、赤松法印という僧侶が徳川家康公の前で語り、それが講談のルーツとなっております。

『江戸元祖練り羊羹』  鯉風
本作は、「出世の証文」としても知られています。出世証文とは、「出世払い」を約束する借用証書のことで、失敗して返済できなくなった債務者が債権放棄を依頼し、それが容認されたとき、将来、出世後には改めて借金を返済しますという約束をした証文です。主人公・淡路屋喜三郎のモデルは、日本橋で将軍家御用の菓子屋を開いていた「紅谷志津摩(べにやしづま)」だといわれています。

『春日局 家光養育』   
竹千代を溺愛したことで知られる春日局こと乳母のお福。その愛情エピソードには枚挙にいとまがありません。幼少時代は虚弱だった竹千代のために小豆、麦、粟などを取り入れた「七色飯」というスーパーフードを考案、健康管理に努めます。また成人し家光となった後、26歳で天然痘を患うと「薬断ち」を誓い命がけの願掛けを致します。やがて家光は回復するものの、以後お福は自分が病気のときにも一切薬を飲まなかったというのは有名なお話です。

日本講談協会5月の公演予定

5月19日(金) 日本講談協会定席 12時15分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、蘭、陽子(仲)阿久鯉、松鯉
5月20日(土) 日本講談協会定席 12時15分開場 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、松之丞、鯉栄、鯉風(仲)京子、愛山
5月29日(月) 若葉会 開演12時 お江戸日本橋亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、蘭
5月30日(火) 講談広小路亭 12時開演 上野広小路亭
出演:桜子、みのり、紅佳、真紅、松之丞、陽子、松鯉(仲)阿久鯉、紅、愛山