たのはぐ会会長、八重幡清忠よりの寄稿です

八重幡 清忠

荻窪講談へ、ぜひおこしください!

400年以上の歴史を持つ講談。特に幕末から明治の初期には、今より人口が四半分程の江戸の街に200軒ほどの講談専門の定席があったといいます。
これは、この時代が激動変革期であったからこそ、そうした史実を伝える感動的な「読みもの」が求められ、受け入れられたのだと思います。

ひるがえって考えれば、現代は「21世紀維新」ともいわれ、激動する社会状況は当時と重なる部分が多いように思えます。 してみれば今、私たちが応援する講談の「読みもの」は、江戸時代と変わらぬように大衆から求められ歓迎される可能性を大いに秘めているのです。

昨年、講談界に永年にわたり大変貢献してこられたお席亭「本牧亭」が閉場され、長年親しんだ人達、それに関係者のみなさんには寂しい限りでありましょう。しかし、代々受継いでこられた大先生の方々が数々の逆境を乗り越えて江戸文化の講談をしっかり継承して来たお陰で、今、若い人達がどんどん育っている事を思うとき、「頑ん張れ」・「応援するぞ」と挙が必然と高くあがって参ります。 これからの講談会を背追う若い人達が、いずれ江戸時代以上の賑わいを見せてくれると私は信じています。何故ならば、百花繚乱に展開する土壌が、すぐそこに見えるからなのであります。

日本人の心に根付いた絆・人情ものは失せる事なく国民共通の民族文化なのであると思います。ぜひ荻窪講談に足をお運びいただき、心を揺さぶる「人情もの」をご体験頂き、「癒やしの場」を存分にお楽しみ戴くことを心より願っています。

たのはぐ会会長 八重幡 清忠